2013年12月16日月曜日

黒子のバスケ脅迫:逮捕決め手リュック 防犯カメラで特定

人気漫画「黒子(くろこ)のバスケ」を巡る連続脅迫事件で、警視庁捜査1課が派遣社員、渡辺博史(ひろふみ)容疑者(36)=大阪市東成区=を威力業務妨害容疑で逮捕する決め手になったのは、逮捕時に持っていたリュックサックと同じものを一連の事件現場の防犯カメラで特定したことだったことが分かった。渡辺容疑者が調べに対し、昨年10月以降に「約500通の脅迫文を送った」と供述していることも判明。同課は、作者への妬みから1年以上にわたり執拗(しつよう)に脅迫を続けていたとみて調べている。
 捜査関係者によると、渡辺容疑者は15日に東京都内で確保された際、黒地に白い線が縦に2本入ったリュックを所持していた。このリュックは、一連の事件現場の防犯カメラに映っていたものと色や柄が同じだった。
 捜査員らは15日朝、リュックを目印にJR大阪駅から東京駅行きの高速バスに同乗して尾行。午後3時ごろ、渋谷区恵比寿の商業施設「恵比寿ガーデンプレイス」付近で、ポストに脅迫文を投函(とうかん)しようとしたところで身柄を確保した。直前にも約300メートル離れた別のポストに報道機関などに宛てた脅迫文を入れる姿を確認していた。
 捜査1課は、千葉市の幕張メッセで21、22日の両日に開催予定の漫画イベント「ジャンプフェスタ」(集英社主催)を対象に、犯人が脅迫文を送りつける可能性が高いとみて警戒。リュックの持ち主が大阪周辺に住んでいるとの情報を得て、14日から大阪駅で張り込んでいた。
 確保時に所持していたリュックを調べたところ、いずれも今月下旬に開催予定のジャンプフェスタや「コミックマーケット(コミケ)」、全国高校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)の主催者らへの脅迫文が見つかった。今年10月には、ウインターカップを主催する日本バスケットボール協会に「会場にいる少年を拉致する」などという脅迫文が届いていた。ジャンプフェスタやコミケには昨年も脅迫文が届いていた。
 渡辺容疑者は作者の藤巻忠俊(ふじまき・ただとし)さん(31)とは面識がなかったとしたうえで、「成功したことへのやっかみがあった」と供述している。一方で一連の脅迫文では、「人生をやり直せるのならジャンプに連載するマンガ家になりたい」といった記載もあった。【松本惇、山崎征克、神保圭作】
毎日新聞より引用しました。

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