連日のようにソチ五輪の話題がテレビを賑わせている。今回、TBSは中居正広、日本テレビは櫻井翔をメインキャスターとして起用。フジテレビは現地キャスターとして国分太一を派遣している。今大会に始まったことではないが、キャスターについてジャニーズ勢の台頭が目立っている。テレビ局関係者が語る。
「昭和の時代は、現地もスタジオもアナウンサーが担当し、競技内容を伝えていた。でも、今はタレント全盛時代。平成に入ってから変わりましたね。賛否両論ありますが、ジャニーズ勢は人気だけで出ているわけではなく、実際に司会者としての実力もある。だから、起用されているんです。
『あの人に聞かれたら答える』『あの人が司会だから出る』という選手もいるし、それもテレビ番組におけるキャスターや司会者のひとつの実力。抜擢されるべくして、抜擢されていると思います」
とはいえ、誰かが椅子に座れば、誰かは退かざるをえない。タレントが台頭した代わりに、男性アナウンサーの出番が減っている。
「ソチ五輪で、民放でメインで起用されている男性アナは、フジテレビの西岡孝洋アナ、渡辺和洋アナ、テレビ朝日の坪井直樹アナぐらいでしょうか。彼らは現地キャスターとして活躍しています。あとは女子アナばかりですね。
要するに、男性はタレント、女性はアナウンサーという役割分担が明確になっており、男性アナが起用されづらい体制になっている。今後も傾向は変わらないだろうし、五輪取材も経験がモノをいいますから、五輪担当の男性アナ自体が育ちにくくなっています」(同前)
五輪などの世界大会のキャスターにタレントが起用されることと、近年男性フリーアナが誕生しないことには相関関係があるという。テレビ局関係者が続ける。
「最近、男性アナウンサーでフリーになって目立った活躍をしているのは、元日テレの羽鳥慎一アナぐらい。TBSの安住紳一郎アナなどは『フリーになっても稼げる』といわれていますが、独立しようとはしていません。
過去には、1979年にTBSを退社した久米宏を皮切りに、1980年代には古舘伊知郎、徳光和夫、生島ヒロシ、1990年代初頭には福留功男といった人気アナがフリーになり、活躍した時代がありました。NHKからも草野仁や森本毅郎などが成功していますし、ラジオ局の文化放送からも土居まさるやみのもんたがテレビに新風を巻き起こしていった。
しかし、1990年代以降、朝岡聡、辻よしなり(ともにテレビ朝日)などフリーになったアナはいますが、先人たちのような活躍はできていない。
1990年代といえば、SMAPが国民的人気を博し、ジャニーズ系タレントがバラエティ番組を持つようになった時期。要するに、かつて男性フリーアナが座っていたポジションに、タレント、特にジャニーズ系がハマったわけです」
そうした状況下で、以前ならフリーアナの出番だった五輪中継などの一大ビッグイベントのキャスターの椅子も、タレントに取って代わられたようだ。
「結局、局を独立しても、今以上に仕事があるとは思えない。だから、局に留まる男性アナが増えたのでしょう。もちろん、安住アナぐらい人気と実力があれば、フリーになっても起用されると思いますが、時代を読んだ上で独立しないのかもしれません。非常に頭の良い人ですからね」
“なんでもできる”ジャニーズタレントはテレビ界の男性アナウンサー事情にまで影響を与えていたようだ。
マイナビニュースより引用しました。
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