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今年は各地でかつてないほどの豪雨に見舞われ 、人々の生活を直撃した。自然災害への備えを 常に意識していることが必要だ=8月9日、 岩手県雫石町(松本健吾撮影) |
四季の変化に富むわが国は、自然災害への備えも年中欠かせない。とりわけ今年は、ゲリラ豪雨と呼ばれる急な大雨や竜巻、落雷などの警報や注意報の発令も相次いで、人々を不安に陥れている。自然災害から自分の身はもちろん、家族の安全を守るために、いち早い情報の入手が求められている。
そこで今、注目を集めているのが、スマートフォンやパソコンなどに向け、災害情報を伝えるアプリ(対応ソフト)だ。例えば「LINE」というアプリ。ネット回線を通して音声通話やメッセージのやりとりを行えるようにしたもので、無料で通話できたり、仲間内で情報交換をして楽しめるため、急速に利用が進んでいる。
もともとはNHN JAPAN(現LINE)が、東日本大震災で携帯電話がつながりにくくなった経験を踏まえ、いざというときに使える通信ネットワークが必要と開発したもの。7月に発生した西日本のゲリラ豪雨では、地元の高校生たちがテレビなどの豪雨情報より早く、LINEを使って情報をやりとりして、素早い避難に役立てた。
情報の入手で定番になっているアプリが、ヤフー・ジャパンから提供されている「防災情報」だ。地震、豪雨、津波、噴火といった情報を、スマホ向けに発信しているが、例年にない猛暑となった今年は、新たに「熱中症情報」を追加。環境省が出す「暑さ指数」を元に、「危険」「厳重警戒」などあらかじめ設定しておいた段階を超えたとき、暑さ指数とともに危険度を通知してくれる。
急な自然災害の到来を知ることはできても、そこでどう行動するかは日頃からの学習が必要になる。東京都葛飾区で年初から提供が始まった「天サイ! まなぶくん 葛飾区版」という防災学習アプリは、増水や延焼といった災害によって、今いる場所がどう変化するかをスマホ上でシミュレートできる。
立石の周辺でアプリを起動すると、カメラを通して地域の様子が画面に映し出される。そこに、近くを流れる中川から流れ込んだ水が、どれくらいの深さになるかが、イメージ映像として重ねて表示される。火災が延焼する可能性や、小学校などの避難場所も教えてくれるアプリ。日頃から確認しておくことで、緊急時にも慌てず行動できる。
杉並区でも昨年3月から、スマホ向けに「杉並区防災アプリケーション」を提供している。防災マップなどの情報をダウンロードして、避難場所を探せるようになっている。文京区や江東区も防災マップのアプリを提供中。これらを見て、いざというときに備えておくことが「減災」につながる。
スマホをラジオ替わりに使えるようにする「radiko」も便利なアプリだ。電波や無線LANがつながる状況なら、スマホでラジオを“受信”してポータブルラジオとして使える。こまめに提供される地域の天気や交通情報を耳にしておくことで、変わりやすい状況を把握できる。
備えておけばいざというときに体が動く。日頃からどんなアプリやサービスがあるかを調べ、ダウンロードして体験しておきたい。
産経ニュースより引用しました。
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