2013年9月23日月曜日

メルケル首相続投へ 独総選挙、大連立も浮上

ドイツ連邦議会選挙に勝利し、支持
者に応えるメルケル首相(22日、
ベルリン)=AP

 
【ベルリン=加藤貴行】ドイツ連邦議会(下院)選挙は22日に実施された。保守系与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が票を大幅に伸ばし、第1党の座を守った。これによってメルケル首相(59)の3選は確実な情勢となった。ただCDU陣営だけで議席の過半数を得られるかは不透明で、最大野党・社会民主党(SPD)との大連立交渉に入るとの見方も浮上している。
独公共放送ARDが23日未明(日本時間23日早朝)発表した開票予測によると、CDU陣営の得票率は41.7%と前回09年の選挙から7.9ポイント上積みした。
 同陣営としてはコール政権以来ほぼ20年ぶりに得票率を4割台に乗せる大勝利。メルケル首相は22日夜、支持者を前に「次の(任期)4年間、ドイツを成功に導くためあらゆることをしていく」と勝利宣言した。
 ただ、連立相手の自由民主党(FDP)は得票率を10ポイント近く落とし、議席獲得に必要な5%に達しなかった。議席ゼロとなるのは戦後初めて。
 FDPの惨敗はCDUにとって誤算だったが、ARDの調査ではCDU陣営だけで単独過半数をうかがう展開になっている。23日早朝(日本時間23日昼)にも正式な議席配分が判明する。
 一方、野党陣営ではSPDが選挙終盤の追い上げで前回から2.6ポイント増の25.6%まで伸ばした。惨敗した前回選挙よりは議席増となる見通しだが、党勢を完全に回復させるまでには至らなかった。
 二大政党が票を伸ばしたあおりを受けて既存の中堅政党はいずれも苦戦。左派党は旧東独では健闘したものの、旧西独での低迷が響いて8.5%、緑の党も8.4%にとどまった。
 ユーロ圏からの脱退を訴えた新党「ドイツのための選択肢(AfD)」は4.7%。議席獲得とはならなかったが、南欧支援に対する有権者の批判票を集めて健闘した。
 今後の焦点は次の政権の枠組みに移る。CDU陣営だけで過半数を大きく上回れば、戦後ドイツで初めて保守系の単独政権が発足する可能性がある。かろうじて半数を超えた場合や、過半数に達しない場合は安定政権を目指して4年ぶりにSPDとの連立交渉に入ると見られる。
 実現すれば戦後3回目の「大連立」となり、ギリシャへの追加支援問題など停滞していた政策課題を前進させる効果が見込める。SPDのシュタインブリュック前財務相は22日夜、「ボールはメルケル首相の側にある」と述べてCDUの提案を待つ考え示した。
日本経済新聞より引用しました。

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