2013年9月1日日曜日

【9・1防災の日 家庭・社会で災害に備えよ(3)】地震対策心得 持病の薬、眼鏡 持ち出し袋

持病の薬、眼鏡 持ち出し袋に
 東日本大震災以来、不安に駆られてやみくもに「あれもこれもやらなければ…」と考え込んでしまう人もいるのでは。何を優先させたらいいのか。
 「地震そのものの揺れで死なないことが大事です」
 こう話すのは防災アドバイザーの高荷(たかに)智也さん。
 「そのためには住宅の耐震補強や背の高い家具の固定、ガラスの飛散防止などから始めましょう。まず倒壊した家屋や家具の下敷きにならないこと。家の中でも長い時間を過ごす寝室やリビングといった場所を重点的に」
 耐震補強をすべきかどうかの目安は築年数だ。耐震基準が強化された昭和56年以前に建てられた古い木造住宅はとくに注意したい。まずは耐震診断を受け、必要に応じて補強することが望ましいという。
 家具については、「背の高いもの、重いものから固定。たんすや食器棚、冷蔵庫、テレビ、ピアノなどは入念に。高層マンションでは上層階ほど揺れが増幅され、何もしなければ家具や家電が室内を“飛び回る”恐れもあります」。
 割れたガラスも“凶器”と化す。飛散防止フィルムなどを貼っておこう。
 命を脅かす危険はまだある。揺れの後に襲ってくる津波や火災などの二次災害だ。これらは“迅速な避難”が命を守るカギとなる。身軽に動けるように必要最小限のものだけを詰めた非常用持ち出し袋を備えておこう。
 ここで注意しておくのは「避難所でなかなか配られないが、なければ困るものを優先して詰めておく」という点だ。
 「たとえば持病の薬。命に関わる場合もあります。体の一部となっている眼鏡や入れ歯、補聴器なども。要は自分だけに重要度の高いもの。当たり前のようにチェックリストに載っているものは、まず支援物資として配られます」
 小さな子供がいる世帯であれば、子供用の持ち出し袋も備えておきたい。「かわいいデザインのリュック型なども市販されています。これなら子供部屋にも抵抗なく置いておけるでしょう」。防災対策は日々の暮らしの中に自然に取り込むことが大切だ。
 また「大きく揺れたらコンロの火を消すといった行動は必要性も低くなっている。慌てて火を消しに行かず、まずは自分の身を守ること」と指摘。無理に火を消そうとすれば、けがをしたり、過熱した天ぷら油で大やけどをしたりといった恐れもあるという。都市ガスなどは震度5程度の揺れを感知すると、屋内へのガス供給を自動で遮断する「マイコンメーター」が取り付けられ、慌てて消さなくても済む仕組みになっている。揺れが収まり安全が確認されれば、簡単な操作でガスの供給を再開できる。
 「地震対策といえば、まず水と乾パンを想像しますが、地震で餓死するというのは極めてまれ。少なくとも3日間待てば何かしらの支援を受けられます。ですから心がけたいのは、まず地震の揺れで死なないこと。そして、その後の津波や火災、土砂崩れといった災害で死なないこと。さらに、けがをしないこと。この順番で対策を考えることが鉄則です」と高荷さんは話している。
産経ニュースより引用しました。

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