2013年11月11日月曜日

【インサイド】バイト教育に懸命も 「悪ふざけ画像」防止へ

■社内体質改善が近道!?

 飲食店チェーンなどでアルバイト店員らが悪ふざけの様子を撮影してインターネット上に投稿する行為が多発し、社員教育の重要性がクローズアップされている。企業側は投稿を禁じる誓約書を取ったり、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に関する研修を追加したりと、社員のモラル向上に躍起だ。だが、専門家からは「背景にあるのは会社への不満」との指摘もある。(内山智彦)

 ◆SNS教育強化

 「従業員教育には定評があると思っていた。慢心があったかも」。飲食店チェーンを展開する物語コーポレーション(愛知県豊橋市)の広報担当者は話す。同社が運営する「丸源ラーメン門真店」(大阪府門真市)では今年8月、アルバイト店員が冷凍庫で食材のソーセージをくわえた写真のSNS投稿が発覚した。

 同社は運営する全店舗でアルバイトを含めた社員研修を実施。業務中の携帯電話の使用禁止、店内の写真撮影禁止などSNSに関するルールを徹底し、受講者が誓約書に署名した。

 アルバイト従業員がバンズの上に寝そべる写真が投稿されたハンバーガーチェーン、バーガーキング日本法人の藤河芳一社長は再発防止策について「採用段階での見極めだ」と質の高いアルバイト採用が重要との認識を示す。

 ◆外部委託も

 アルバイト社員に対し、SNSへの不適切な投稿の「リスク」を教えるには-。高まる企業の需要に応え、東京、大阪でサービス事業者向けの教育・研修学校を運営するホスピタリティ&グローイング・ジャパン(東京)は来年1月、アルバイト社員向けの講習を始める。

 同社の有本均社長は、日本マクドナルドの社員教育機関の責任者などを歴任。これまでサービス業の接客や店舗運営など約100種類に上る講座を展開した。

 今年9月に開校した大阪校では、研修契約を結んだ企業が1カ月で50社にものぼった。有本社長は「店員への基本教育ができていないことが騒動の発端。社会人のルール、マナーを守らせたい」と話す。

 ◆会社への不満

 研修によるアルバイト社員のレベルアップは可能なのか。「会社への不満が内部告発や不祥事につながりやすい」と、藤江俊彦・千葉商科大教授(ソーシャル経営論)は根本的な問題を指摘する。内部告発は非正規雇用者から行われるケースが多く、従業員の実情把握が重要という。

 物語コーポレーションは全店舗の従業員に「満足度アンケート」を行い、不満点を拾い上げる試みも検討中だ。「コストも時間もかかるが、再発防止が重要」という。

 アルバイトが主力を担う飲食などのサービス業。人件費などの問題から、今後もこの構造は続きそうだ。藤江教授は「企業はコスト削減、アルバイトは給与をもらうだけ、と社会への責任が抜けている。コストだけの経営は、逆にハイリスク」と指摘する。
yahooニュースより引用しました。

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