2013年11月15日金曜日

連邦裁判事、著作権訴訟でグーグルに軍配あげる

アンドロイド最新版で表示されたグーグル
・ブックスのアプリ
米グーグルは14日、数千万冊の書籍をスキャンする権利をめぐる出版産業との訴訟で大きな勝利を収めた。
 ニューヨークの連邦地裁判事は作家団体の訴えを棄却した。作家団体は、グーグルは大量の書籍をデジタルコピーすることで著作権法に違反した、と訴えていた。
米巡回裁判所のデニー・チン判事は、グーグルは書籍をスキャンするに当たって著作権保持者の許可を得ていなかったが、そうした懸念よりも重要な項目があるとし、グーグルの取り組みは著作権法の下での題材の「正当な利用」に値する、と述べた。
 また、「グーグル・ブックス」によって学者は大量のデータを分析し、書籍へのアクセスを保持、拡大することが可能になり、新しい読者層を生みだし、作家や出版社に新たな収入源をもたらすと述べた。「グーグル・ブックスは公益に大きく貢献すると思う」と記している。
 さらに、グーグルは書籍のスニペット(検索エンジンを使った際に表示されるウェブサイトの要約文のこと)は読めても完全版を読めないようにするなど対策を講じていると指摘した。
 全米作家協会は控訴すると表明している。ポール・アイケン事務局長は文書で「今日の裁判所の判断には失望した。われわれは賛成できない」「グーグルは著作権で守られている世界中の貴重な文学作品のほぼ全てのデジタル版を許可なしに作成、それらを公開することで利益を上げている。このように大量の作品をデジタル化して収入を得る行為は正当な利用の範囲から大きく外れる」と述べている。
 グーグルの広報担当者は電子メールで「長い道のりだったが、今日の判決は本当にうれしかった。当社は長らく、グーグル・ブックスは著作権法を順守しているし、デジタル時代のカード目録のようなものだと説明してきた。利用者はグーグル・ブックスで書籍を見つけて買ったり借りたりできる」とコメントした。
 裁判所文書によると、グーグルは2004年に幾つかの主要な学術図書館と彼らの蔵書をデジタルコピーすることで契約を結んで以来、2000万冊以上をスキャンしてきた。敗訴すれば数十億ドルの費用が発生するところだった。著作権法に違反した場合には1作品当たり最低750ドルの賠償金が課せられるからだ。
 チン判事はグーグルのスキャン行為がこれまでとは異なるサービスを生み出し、社会全体に恩恵をもたらすと判断した。その点で今回の判決には大きな意味がある、と電子フロンティア財団(EFF)の著作権担当ディレクター、コリーヌ・マクシェリー氏は語る。著作権の正当な利用方法やデジタル著作権を専門とする市民権団体は、すでに法廷助言者としてグーグルを支持する意見書を提出済みだ。
 マクシェリー氏は「グーグル・ブックスによってオンライン上で書籍を探せるようになる。これまでは知り得なかった本でもグーグル・ブックスを使えば見つけられる」と語る。
THE WALL STREET JAURNAL.より引用しました。

0 件のコメント:

コメントを投稿