2013年11月16日土曜日

詳細な日記をつけ、過去の業績は忘れる:女性初のノーベル賞受賞者まり・キュリーに学ぶ仕事術


マリ・キュリーは、女性としてノーベル賞を初めて受賞した人物です。彼女は物理と化学の両分野で学者になり、1903年と1911年の二度にわたってノーベル賞を受賞しました。2つの異なる分野で受賞した女性は、彼女しかいません。
放射能という用語を発案し、最終的には自分自身の死の原因にもなったラジウムを発見し、科学界が彼女をまともに受け入れなかったにも関わらず、多くの偉業を成し遂げました。彼女の仕事によって放射線に対する考え方が変化しましたが、放射線という言葉を広めるのには大変な苦労をしました。
キュリー氏は、1867年に誕生。彼女は常に周囲に与え続け、自身は慎ましい生活を送っていました。金銭的な賞与のほとんどを寄付し、ラジウム精製法に関する特許さえも取得せず、他の人が彼女の研究を継続できるようにしました。彼女は逆境に立ち向かい、多くの事を成し遂げました。それだけでも、注目に値することです。
今回は、そんなマリ・キュリーの仕事術を紹介します。

ゴシップは無視する

キュリー氏は、常にゴシップの対象となりました。これは彼女が「女性である」という事実に関係しています。周囲は彼女の信用を傷つけようとし、無視すべき理由を探しました。ジャーナリストやライターが、噂や私的なことについて尋ねると、彼女はこのように答えていました。
「人間に対して興味をもつのではなく、アイデアに興味をもってください」
「科学の世界では、物事に対して関心をもつべきです。人間にではなく」
彼女の主張は単純です。もし、周囲がやっていることの邪魔をしようとするのなら、あなたの仕事自体が多くを語っていない、ということです。キュリー氏の場合、周囲は、彼女が成し遂げたことにではなく、彼女が女性であるという事実にばかり注目していたのです。
職場で、周囲のゴシップや偏見から逃れるための絶対確実な方法はありませんが、それでも仕事環境の改善のためにできることはいくつかあります。たとえば、的確なコミュニケーション方法を学ぶことは必ず役に立ちますし、自分に合う会社を見つけるのも良いでしょう。なによりも大事な点は、敬意を払ってもらうように求めることです。そのための最善の方法は、キュリー氏も指摘しているように、周囲の戯言にとらわれないことです。

詳細な日記をつける


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キュリー氏が、自身の研究に関して、非常に詳細な記録をつけていたことは驚くに値しませんが、彼女は同じくらいの時間を個人的な日記をつけるのに費やしてきました。些細なことも記録に残し、2人の子どもと夫について、詳細なメモをつけました。すべてを丁寧に、細かく記録したノートのほとんどからは、今でも放射線が検出されます。
キュリー氏はとにかく、考えつくことのできるあらゆることを記録に残しました。夫の死後には悲嘆にくれる気持ちを書き残し、個人的な日記では自分の悩みや問題を時系列に管理していました。Barbara Goldsmithの著書『Obsessive Genius: The Inner World of Marie Curie』では、キュリー氏が子どもの教育や健康状態についても記録に残していたことに触れています。

キュリー氏の日記上の娘に関する記録は、どんどん細かさを増していきました。膝をすりむいたこと、しょうこう熱、百日咳、イレーヌがエーヴにやきもちを焼いていること...

娘のエーヴは、自身の伝記のなかで、母親の日記について次のように書いています。

灰色のノートに、母はイレーヌについてそうしたように、エーヴが見せた初めての動作や最初の歯について記録していました。子どもの変化が母親の神経状態をいくらか改善させたようです。

シンプルな方法で、キュリー氏は自身の健康や夫や子どもの健康についてなど、あらゆる情報を記録につけ、振り返っていました。自分を分析するための手段として。以前、米Lifehackerでも、書くという行為が精神や感情、また創造性を高めるのにいかによい効果を与えるかが紹介されていました。今の時代はとても簡単に日記をつけられるので、試してみてはどうでしょうか。

自分が成し遂げた偉業について忘れる


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私たちの多くは、日報やTo doリストなど、さまざまな媒体上に自分の業績を残したいと考えます。しかし、キュリー氏は1894年に兄に宛てた手紙の中で、常に前を向き、後ろを振り返らないことの大切さを次のように書いています。

人は相手が成し遂げたことには気付きません。人はやり残されていることを見るのです。

もちろん、自分が成し遂げたことを全く考えないのは難しいでしょうし、それは精神的にも健全ではありません。しかし、キュリー氏が指摘しているのは、人は相手が成し遂げたことについてそれほど注目していないという点です。周囲は、あなたが今何をやっているのか、何に取り組んでいるのか、これから何をするつもりなのか、ということに興味があるのです。
これは、ちょっとした会話にも活かせる考え方です。私たちはみな「あなたの仕事は何ですか?」というお決まりの質問に答えたくないことを知っています。しかし、「今、あなたが取り組んでいることは何ですか?」といったような質問を投げかけることで、より良い反応を相手から引き出せるかもしれません。

Thorin Klosowski(原文/訳:佐藤ゆき)
life hackerより引用しました。

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